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ガス火力発電、2030年に1.2倍!!

2025年4月17日(木)の日本経済新聞に世界のガス火力発電の能力が2030年までに最大で現在の1.2倍に増える見通しである記事が掲載されました。人工知能(AI)の普及などで、電力需要の増加が見込まれ、石炭に比べ、環境負荷の小さい天然ガスを選ぶ企業が増えているとのことです。ガスタービンを手掛ける三菱重工は2027年3月期を目処に生産能力を3割増やす計画にしています。人員も1割増やす予定にしています。日本は2年前まで電力需要が縮小するだろうということで、火力発電所を減らす方向で対応をしていました。現在は、データセンターが日本の各地に建設されていること、半導体工場のTSMCやラピダスが立ち上がりつつあることにより、電力需要が大幅に増加する状況になってます。2年前と比べて、電力の需要環境は変わり、電気を少しでも多く作ることが求められてます。。
アメリカでは、2028年までにデータセンターの年間電力消費量は74~132GWに達する見通しとのことです。これはアメリカの総電力量の6.7パーセント~12パーセントに相当します。現在、アメリカのデータセンターは、総電力消費量の約4パーセント強を占めています。データセンターに加えて、アメリカの製造業の国内回帰や自動車、ビルの電化による電力需要の増加も起きています。アメリカの総電力消費量は2024年に過去最大を記録し、2025年にさらに増える見込みです。
我が国、日本は、長い目で見ると、液化天然ガスに依存している点が致命傷になります。現在、日本は液化天然ガスは、すべて海外から買わざる得ない状況です。他国の意向でいつでも、エネルギーの供給が止まってしまう,危険性があります。そのため、いつでも供給停止に対応できる体制を整えておくべきで、早く、水素発電、アンモニア発電にシフトすべきです。価格競争力の問題もありますが、日本は安く水素を作って、電力に活用するスタイルを確立しないと、天然ガスの獲得競争や供給停止の脅迫にさらされます。エネルギー安全保障の視点からも、脱天然ガス、脱輸入エネルギー資源を模索すべきです。
脱液化天然ガスの他、ペロブスカイト型太陽光発電を早めに普及させましょう。例えば、ビルの5階以上を契約して、ペロブスカイト型太陽光発電のシートを5階以上に貼り、発電をします。日本は、平地が狭いので山を削って山の斜面に太陽光発電パネルを設置する傾向にありますが、山の保水性がなくなり、災害が起きやすくなります。平地に立っているビル群を利用するのが良いと思います。早くこのビジネスモデルを確立して、将来不足する電力の需要に少しでも貢献する必要があります。海上風力発電も建設費が高騰して、事業の進捗が芳しくないですが、周囲が海の日本は、進めていくべき電力事業だと思ってます。
2019年に私の古巣の日立製作所が風力発電向けのブレード(羽)の製造から撤退した時は、国内の市場が小さかったですが、徐々に増えていると思います。周囲を海に囲まれている日本としては、この市場を大きくする必要があります。
日本は、島国なので、島国で手に入りやすい材料を使って、自分たちが使う総電力消費量は、100パーセント、自給自足できるようにしないと、将来的に困ることが起きるかもしれません。我々で電力の供給の観点から、これからの日本のありかたを考えていきましょう。