1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

コラム

記事公開日

最終更新日

NTT、電力を地産地消!!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 9月19日、9月21日の日経新聞の記事に、「NTT電力を地産地消」という題名でNTTが独自の電力網を整備する計画が発表されました。災害対策、防衛対策を考えると、今回のNTTの仕組みは、非常に継続性を感じます。
 NTTは全国7000拠点に蓄電池を整備し、併行して設置する太陽光発電などの再生可能エネルギーからの電気を蓄積し、大規模な地震や台風が起きた際も家庭に電気を安定供給できるようにします。これが整備されれば、災害時に携帯電話の充電ができなくなり、連絡が途絶えることはなくなると思います。
 電気を変電所から家庭に送る配電事業を巡っては2022年、電力大手から借りた配電網の運用などに異業種が参入できるライセンス制度が始まりました。NTTは実証実験を経て、申請する見通しで、認可された場合は第1号事業者になります。
 蓄電池と電力データ管理システムを組み合わせ、地震や台風に伴う停電が起きた際に、被災した電力会社のネットワークから離れ、独立して、NTTシステムと蓄電池、地域の太陽光発電により家庭が停電から早期に復旧できるようにします。被災地は孤立する場合があり、冷蔵所の食料が大事になるので、電気の復旧は、命にかかわる問題です。
 NTTが想定しているのは、能登半島地震のケースで、幅広い地域で長期にわたって電力供給が途絶えたことです。電力の自由化で電気の売り手は多様化した半面、送配電は電力大手の寡占が続き、災害時の強靭性に課題を抱えてました。
 NTTは一連のシステムを電力会社などに販売して収益化する予定です。NTTは、主力の通信事業が低迷する中、再生エネルギーを成長領域の一つに据える様です。電力データ管理システムは、大崎電気工業、NEC、三菱電機などと共同開発を予定してます。今回は、新型のスマートメータで電気使用量に加えて、電圧や電流の状況を見える化することを考えています。
 この方式を採用すると、電力会社側は配電網の増強投資を抑えつつ、再生エネルギーの利用を増やせるので、電力会社もNTTもWinWinの世界になると思います。配電網は、一部地域で新設をするだけでも数十億円がかかるという試算があります。価格転嫁の形で消費者に負担を強いることもなくなる今回の方式は、非常に良いと思います。この方式は、再生可能エネルギーの発電制限を受けている九州などの西日本地区から整備してもらうと、再生可能エネルギーの発電業者も機会損失がなくなります。究極の解決策は、各家庭に蓄電池を接地することですが、狭い地域でまとめるのも良いと思います。
 再生可能エネルギーの普及が進んでいるドイツには、シュタットベルケという都市公社が各地にあります。各地域はこの都市公社が中心になって、電力、ガス、水道を各家庭に供給をしてます。ドイツは昔からあったシュタットベルケの供給網を利用して、再生可能エネルギーを各家庭に送りこんでます。
 NTTの蓄電池網の整備をきっかけに、日本版シュタットベルケができると、災害に強い街が出現しますね。未来を感じます。皆さん、面白くなってきました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

サービスに関する各種お問い合わせ・資料の請求は、
各メールフォームよりご連絡ください。