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水素の活用が進みます!!

10月17日経新聞の記事に、「電力、水素供給網を先導」というタイトルで水素を利用しやすくするように拠点整備をしつつある内容が書かれてました。事業主体はJERA(東京電力フェル&パワーと中部電力の合弁会社)で水素やアンモニアの調達・供給網の整備を急いでます。JERAは、液体水素を輸入する拠点整備で愛知の碧南地域、茨城の常陸那珂地域を整備します。近くの港の整備から始めて、地域の会社や工場に水素やアンモニアの利用を促進させる計画です。愛知では、碧南火力発電をアンモニア発電にする予定です。その他、トヨタ自動車関連の会社他にも使ってもらう予定です。
水素またはアンモニアの輸入は、オーストラリア他で作って、日本に輸入します。水素、アンモニアでの発電は、燃やしても二酸化炭素を排出しないので、環境に良いのですが、価格が高く、普及を阻害してます。そのため、日本で作るのではなく、オーストラリアで水素、アンモニアを安く作り、持ってくることを考えてます。現時点では、水素の価格は天然ガスの2倍、アンモニアは石炭の4倍です。アンモニアは、液体で運べて、日本で水素とチッソに分けることができるので、アンモニア主体に輸入するのもひとつの手だと思います。水素を液体にするには、低温にしないといけないので、結構大変です。
水素については、アメリカのトランプ大統領候補が、水素は運ぶのは危ないから、車には向いていないとして、水素自動車を否定しました。確かに水素は爆発しやすいですが、そのために研究が続けられてます。これからは水素だと思います。水素は、水素吸蔵金を使えば、安全に運べます。私が大学生だった30数年前に、すでに、広島大学とマツダが水素吸蔵金の研究をし、車に利用することを考えてました。私は、30数年前に佐賀大学の臨時講義で広島大学の先生の材料工学の講義を受けました。生活に直結する研究だったこともあり、非常に面白い講義だったので、よく覚えてます。マグネシウム、チタン、パナジウム、ランタン等の金属は、水素と相性がよく、結びつきやすい性質があります。水素は軽いので、運搬するときに漏れると爆発する危険性があります。金属に吸収し、安定させて水素を運ぶのは、面白い発想だと思いました。
水素の利用は、航空機分野にも波及してます。2024年10月17日の日経新聞に川崎重工業が航空機向けの小型エンジンで水素100%の燃焼実験に成功した内容が書かれてました。また、同じく10月17日の日経新聞の記事で東芝とフランスのエアバスが、水素を燃料とした水素航空機向けの「超電導モーター」を共同開発することを発表しました。東芝は経営難が続きましたが、小型で高出力のモーター技術の研究については、注力してきました。
上記の様に水素のキーワードをニュースで見たり聞いたりする回数が日に日に多くなってます。水素は水から作れるので、これほど、入手しやすいエネルギーはないと思います。これからの工夫次第で、安い、環境にやさしい水素が手に入ると思います。面白い世界になってきました。